ゆるふわふぢげたんカフェブログ

森の小さなカフェの常連の英語講師(藤本亮太郎)によるブログです。お店の日常をあげているインスタもよろしくおねがいします。@koshinkokunihon

英検1級モニターコース第2期・7月度体験レポート①

7月から新たに生徒さんを募集し,英検モニターコース第2期をやっています.

 

今回はお二人とも1級です.お二人とも何度か受験経験があり,あと一歩というところで合格に届かず,悩まれています.もちろんすでに挑戦されているだけあり,お二方ともすでに高い英語力をお持ちです.僕自身学びをいただきながら取り組ませていただいています.

 

7月度の1ヶ月のご体験をレポート頂きましたので,今回とその次のエントリでご提出順に紹介させていただきたいと思います.

 

 

まずはSさんから.

 

Sさんは1級に2年ほど挑戦し続けており,スコアとしてはあと一歩で合格というところまできています.

 

すでに高いレベルの英語力をお持ちですが,ご自身の実感としては「自信もって答えている問題はとても少なく、全く手応えがありません」(事前アンケート)とのことでした.

 

下記レポートでは特に,開始1ヶ月時点でのご学習の変化について書かれています.ぜひご一読いただき,皆さんの学習にお役立ていただきたく思います.(太字は僕が施しています.)

 

1. モニターに申し込んだ理由

Twitterでのモニター受講生募集のお知らせを目にしたのは、2023年度第1回の英検の結果が届いた頃だった。英検の結果は「不合格」で、それは何度も(確か5回くらい)目にしているものだったが、何度受験しても一向に手ごたえを感じることはなかった。とはいえ、日々の仕事と子育ての中でまとまった学習時間を捻出するのは難しく、能力的に優れているわけでもない。英語学習以外にやることはいくらでもある。そう思いつつも、目の前に立ちはだかる1級というものをクリアしてみたいという気持ちは一向に減らない。「変わるべきだ」と自分の直感は言っていた。自分一人での学習に限界が来ているのだから、ここは人の力を借りるべきだと思った。ドキドキしながら申込フォームに入力し、送信した。

 

2. 初回セッション

申し込んだその日の夜に20分程度のセッションを行った。そのスピード感にワクワクしつつも、子どもが無事に寝てくれるだろうか、途中で起きてこないだろうか?と内申冷や冷やしていた。取り越し苦労に終わって本当に良かった。

そのセッションではこれまでの学習歴や使用教材を伝え、1日の学習時間と最初の1週間の課題を相談して決めた。翌日の課題も示されたので、翌日からスムーズに学習に移行できた。一人で勉強していると、「この学習の仕方でいいのか?」「テキストはこれで良いのか?」「優先すべきは単語か?読解か?」などとどうしても悩んでしまう。しかし先生と決めた課題に沿って取り組めば良いので、悩むことはなくなった。

 

3. 日々の学習の進め方 

私の場合はリーディングに力を入れつつ、単語も並行して学習していくことになった。英検の過去問の大問2を1日1題を目安に解いていくことから始めた。手持ちの過去問の大問2をすべて解いてから、大問3に取り掛かった。

その際、分からない単語を調べ、文構造の把握にも努めた。構造がとれない文や意味が分からない文は、そのページをスクショして先生に送り、どこまで理解できてどこから理解できないのか、私はこう解釈したがそれで良いのか、などをできるだけ具体的に書いてラインで送った。自分の無知をさらけ出すのは少し恥ずかしい気もしたが、学習者が先生に対して自分を繕うのは本末転倒であるし、自分の間違えやすいポイントを指摘してもらうためにも、間違っているであろう自分の解釈も正直に伝えるようにした。また日々の学習報告(学習内容、学習時間、今日の気づき等)も毎日ラインで送った。学習習慣が身についていないうちは、自分のがんばりを見てくれて励ましてくれる人がいることは大変励みになった

 

4. 週1のセッションについて

週1回80分のセッションでは、まずこの1週間の振り返りを行う。私はその週の学習での成果と、課題と感じていることをざっくばらんに話している。まだまだ課題ばかりだが、その中でも得られる手応えはあるので、それを喜びとしている。その後に1週間で取り組んだ課題の中から、私が戸惑ったり理解できなかったりする文の解釈を中心に行う。自分の中ではもう調べつくし、解決したと思った文でさえ、藤本先生の解説を聞くと自分の理解が浅いことに気づく。1つの疑問点が起点となり、それに近い文法事項も教えてくれるので、具体的事例がいくつか集まって抽象的な理解につながっていくことが楽しかった。それは語彙に関しても同じで、ある語彙を取り上げて、文の中での働きや派生語、類語、コロケーション、伴う前置詞なども一緒に提示していただけるので、その語彙のもつ厚みを改めて理解することができて、親しさを感じる語彙が少しずつ増えていった

一度、文の構造はつかめないが文意は取れるからと軽く考えていた文を藤本先生に見てもらった。先生はすぐに「これは倒置です。」と見抜き、倒置の解説をしてくださった。インターネットで多くのことが解決できる時代ではあるが、見当さえつかないものはどう検索してよいかも分からない。そのような時に、すぐに聞けて、教えてくれるコーチの存在は大きいと感じた。

また比較級の解説の時には、「比較が出ると身構えてしまうんです」と恥を忍んで言ってみた。笑われるだろうか、慣れが必要と言われるだろうかと思いきや、「それが学習者のあるべき態度です。」的なことを言われた。それまで手ごわい文法が出てきたら必要以上に肩ひじ張っていたが、そのような自分もOKと思えたし、肩ひじ張りながらも英文と格闘している自分を認めることができた。藤本先生はテクニカルな所は学習者の理解を高めるように上から引っ張りつつ、心情的な部分は学習者の目線にまで下りてきてくれるように思われた。

 

5. モニターコース受講で得られたこと(最初の1か月の気づき)

毎日学習を継続することができたことが大きい。継続することで、1つ1つの断片的な知識が関わり合い、深い理解となって定着してくる感じがある。また藤本先生の用例検索や辞書の使い方、辞書を見るポイント等を参考にして、自分で学習する時もこれまで以上に辞書を使うようになり、見るポイントも変わってきた

英語は私にとってまだまだ難しいものではあるが、人間が使うものとして発明されたものであり、感情をのせて思いを伝え合うものだから、人の意見、主張をより丁寧に受け取りたいと思うし、自分の思い、意見もより適切に表現できるようになりたいと思うようになった。

 

嬉しいレポートをありがとうございます!

 

学習態度についても非常に大切なことを書かれています.「学習者が…自分を繕うのは本末転倒」という部分は僕もハッとさせられました.

 

Sさんは毎日の報告と毎回のセッションで疑問に思われたことを素直に伝えてくださいます.それに応じて僕もダイレクトに課題解決のお手伝いをすることができ,派生する学習事項もお伝えできています.

 

問題点を共有されることで効率的に力を伸ばされている印象があります.1ヶ月と少しの期間で,英文を見る際の解像度も上がっているのではないかと推察しています.

 

また,リーディングで発見された表現をライティングで積極的に使われているので,定着も早いです.10月の検定までの伸びが楽しみですね.

 

1級に向けて学習されている方がいらっしゃいましたら,Sさんの取り組みをぜひご参考になさってください.

 

残り期間も英検合格,そして英語力のさらなる向上にむけて頑張っていきましょう!

 

 

今日は受験勉強をしなかった.